家具に使う木材について

●主に使っている樹種のご紹介
ハートクラフトで使用している木材は、タモ、ブナ、胡桃(クルミ)、アメリカンウォールナット、アメリカンチェリー、ナラ、ラウリー(ブラジル桜)などです。お部屋の雰囲気や家具のデザインなどで、樹種を決めてサンプルを提出しております。
また、キャビネット類の抽き出し内部には、朴、ひのき柾目、キハダ、桐などを使っています。
木にはそれぞれ特徴があり用途やお好みによって選んでいただきます。その木がかもし出す風合いを時間の経過とともに楽しんでいただくために、基本的には、顔料の入った塗料は使わず、天然成分のオイルをすり込むように塗り、ワックスで磨いて仕上げています。各樹種の特徴や作例は下記をご覧ください。
樹種名 板目 柾目 特徴
タモ タモは、家具でもよく使われる材です。成長するのが早いので、材が市場に安定して出回ります。粘りがあって強度もあり、加工もしやすいです。木目の幅が緻密なのと荒い部分の硬さや重さ、色見などが大きくちがいます。年輪がはっきりとした材(環孔材)で、カチンと仕上がります。長く使用しても、面取りした角がくずれにくい材です。

作例はこちら → キッズチェアデスクK太鼓台

ブナ ブナは、年輪のはっきりしない散孔材です。色は白っぽく、木目の感じがやわらかいのも特徴。カンナをかけて磨くとスルッとした表面になります。柾目には赤っぽい独特の斑点があります。また、色むらが出ることがあるので、大きな面(テーブル天板)なんかには、不向きかなと考えています。硬く,粘りもあって弾力性もよいので、曲げ木に向いていると言われています。

作例はこちら → ベビースツ ール木馬サークルベンチ

ナラ 加工性が非常によく、塗料ののりも大変よい家具材として、優良な木材。年輪がはっきりしている環孔材。板目は力強く、柾目はやさしい表情が現れます。虎斑杢(とらふもく)という独特の模様が表れる材です。珍重されていますが、これは、お好みです。


作例はこちら → デスク

胡桃 クルミは年輪のはっきりしない散孔材。散孔材は、木目の表情が柔らかで優しい雰囲気がでます。ナラやタモにくらべて軽くて軟らかく、加工もしやすい。軟らかい分、弱い面もあるので、椅子などには不向きかもしれません。磨くと美しく光る材で、クルミ類は使い込むほど、深い味わいが出てきます。オイルで仕上げるとオレンジ系の色見になります。

作例はこちら → デスクDK-01書棚デスクK 

アメリカン
ウォールナット
家具材の中でも、もっとも人気があり高価な材。辺材の部分(木の外側)は白っぽく赤身の部分との差が大きいので、きれいで木目のそろった材料を揃えるのがけっこう大変です。強度、粘りも良好で、乾燥も進みやすく狂いも少ない最高の家具材だと思います。やはり、磨くと美しい光沢がでやすいので、経年変化も楽しみです。

作例はこちら → 書棚-Uスツール01スツール02木馬

アメリカン
チェリー
辺材はピンク色っぽく、心材は、赤褐色。木目が緻密で、優しい雰囲気を醸し出します。乾燥中にタンニンが出て、シミが表れるため、木取りは注意。経年変化で色がどんどん濃く変色していきます。磨くと光沢が美しく、加工もしやすい材なので、作っていて楽しいです。

作例はこちら → 吊り戸棚-Kカップボード-Kキッチン抽き出し-K、食器棚-O

ラウリー ブラジルの桜で、現在では輸入されてないとか。たまたま知り合った材木屋さんが、在庫でもっていて購入。ホントに木目がきれいで加工しやすく光沢もすごく良いです。桜類は種類も豊富で、どれもきれいですが、高価な材といえます。一様に言えるのは、優しい穏やかな雰囲気。ネットで調べてもなかなかこの材はないです。

作例はこちら → ダイニングチェアカップボード-S

きわめて良質な散孔材。軟らかく軽く粘りもあり、繊維が緻密。割れや狂いが少ないので、昔は製図版用材では、最高だったとか。狂いが少ないので、抽き出しの本体部分に使ったりしています。和太鼓の桴にも適しています。


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ひのき ひのきは、とにかく香りが良いですね。木目もきれいで、削ると光沢がでます。水にも強く特に心材は耐朽性に優れています。風呂桶に使われます。家具の本体には使いませんが、柾目板を抽き出しに使うと香りが良いと喜ばれます。


作例はこちら → 抽き出し

キハダ 軽く軟らかい材。狂いも少ないので抽き出しの本体部分に使用しています。樹皮と身の間が黄色いのですが、その部分が胃に良いとかで、煎じて飲むと効くらしいです。朴やキハダで作った抽き出し内部は、キズもあまりつかず良い状態を保っているようです。


作例はこちら → 抽き出し

桐は、タンスに使うのが有名です。湿気を通過させないのと、熱伝導率が低いので発火しにくいということです。反面、軟らかく弱い材でもあるので、大変キズがつきやすく、また、乾燥中のアクぬきがうまくいかないと黒ずんでくることがあります。吸放湿してくれるので、やはり抽き出し内部には良いと思います。

作例はこちら → 抽き出し